『佐賀新聞』2009年2月23日付

佐賀大学長選考きょう公示 長谷川氏の動向焦点


9月末の任期満了に伴う佐賀大学(佐賀市)の学長選考は23日公示され、学内外からの候補者公募が始まる。現職の長谷川照氏(70)は佐賀新聞社の取材に対し、「第2期中期目標・計画の策定を区切りにしたい」として今期限りで勇退する意向を示してきたが、続投を求める声があり、要請があれば推薦を受諾する可能性が出てきた。ほかに医学部OBを推す動きがあったが擁立には至らず、別の候補者が届け出るのか、公示後が注目される。

入学志願者数と定員が同数となる「大学全入時代」を迎える中、運営費交付金削減や外部資金の獲得競争で、より厳しい局面が予想され、4年前の選考と比べると、学長を目指す新たな動きは目立たない。ただ、過去2回と同様、「本庄と鍋島(医学系)から候補者が出て争う構図になるのでは」と語る関係者もおり、予断を許さない。

長谷川氏は京都大大学院理学研究科出身。佐賀大理工学部長を経て、佐賀医科大との統合に伴う学長選で2003年10月、新「佐賀大学」の初代学長に就任。国立大学法人化後、05年の学長選考で再任された。「専門教育にも広い視野が必要」として教養教育の充実を唱え、中長期ビジョンにも反映。現在、第2期中期目標・計画(10―15年度)策定を手掛けている。

規則で、4年の任期を終えた現職は2年間の再任も可能なことから、動向が焦点となる。

学長選考は、学部長や学外の識者でつくる学長選考会議(議長・指山弘養県商工会議所連合会長、14人)が実施。規則は前回とほぼ変わらず、20歳以上の推薦者10人を集めた候補者を公募、教職員による意向投票を2回(候補者が1人のケースは1回)実施し、面接で最終選考をする。新人が選ばれれば、任期は10月1日から4年間。

具体的な選考手続きや候補者の推薦期限などは23日、佐賀大のホームページなどで公表される。