『中国新聞』2009年2月23日付

県、大学の地域課題研究支援


広島県は新年度から、広島県内の大学や短大に対し、地域課題の解決に向けて学生が取り組む調査研究や、「地域学」をコンセプトにしたカリキュラムづくりへの支援を始める。大学の魅力づくりとともに、地域との連携を引き出す狙いがある。

地域課題の研究支援は、商店街の活性化や地域の環境改善などの課題について、ゼミ単位や学生グループから研究計画を募り、15程度のテーマを選定。研究費の半額を助成する。それぞれ1年間の研究結果をまとめ、成果を地域に公表して生かしてもらう。また、各大学が地域の魅力や可能性などについて学ぶ「地域学」をカリキュラムに盛り込む取り組みを支援。宮島(廿日市市)の歴史や文化を多角的に学ぶ県立広島大の「宮島学」や、京都をフィールドとした「京都学」など、先行事例の研究や講師を招いた研修、市民向けの公開講座にかかる経費の半額を県が負担する。助成は、県内を中心とした24大学・短大などでつくる「教育ネットワーク中国」(代表幹事・市川太一広島修道大教授)を通じて実施する。関連事業費150万円を2009年度当初予算案に計上している。