『産経新聞』2009年2月14日付

「就職協定」復活へ 「活動」早期化に歯止め 文科相


大学3年生が“就活”でゼミを欠席するなど、就職活動の早期化に歯止めをかけるため、塩谷立文部科学相は13日、閣議後の会見で「大学と企業が連携協力し、秩序ある就職活動を行えるよう環境を整備したい」と述べ、平成9年に廃止された「就職協定」を復活させたい意向を明らかにした。6月までに大学側と企業側の協議の場を設け、現2年生の就職活動からの適用を目指す。

以前の就職協定では、企業の面接解禁日を8月1日などとしていたが、形骸(けいがい)化の指摘を受けて廃止された。現状では大学側の就職問題懇談会の「申し合わせ」と、日本経団連の「倫理憲章」がそれぞれ内定を10月1日以降とすることなどを盛り込んだガイドラインを作り、双方が尊重する形を取っている。

しかし、「青田買い」の影響などで大学3年次からの就職活動が一般化。同懇談会の調査では、20年度は4〜5月が実質的な内定のピークで、倫理憲章などが守られない状態が継続。昨年7月には国立大学協会などが「貴重な学びの時間が奪われている」として、是正を求める要望書を経団連などに提出していた。

今後は3月上旬に同懇談会を開いて大学側の意向を確認し、主要経済団体との意見交換の場を設ける。実効性を確保するため、協定を守らない企業名の公表など、罰則を求めることも検討する。

塩谷文科相は「3年以上、しっかりと勉学に励んだ学生が企業に採用される環境をつくりたい」と強調した。