『新潟日報』2009年2月17日付

産学交流の新潟モデル目指す


大学の博士課程修了者や大学院生が県内企業で就業体験する「高学歴インターンシップ」について広く知ってもらおうと、新潟大学は16日、新潟市中央区のホテルでシンポジウムを開いた。実際に大学院生を受け入れた県内企業などが成果や課題を報告した。

博士課程修了者に対し大学の研究者ポストは少ないため、ポストが空くのを待ちながら不安定な任期付き研究員として働く人も少なくない。同大はこうした人に進路選択の幅を広げてもらおうと、昨年10月から博士課程修了者らを県内製造業者に短期間派遣する事業を始めている。

シンポは大学や企業関係者ら約60人が聞き入った。パネルディスカッション形式で行われ、同大の坪川紀夫地域共同研究センター長が「博士課程修了者を地域の中核人材として育て、産学交流の『新潟モデル』を構築したい」と強調。

院生を受け入れた携帯電話部品製造のサンアロー化成(佐渡市)の石井裕子専務は「若手社員の成長や、新しい知識や技術の活用に効果があった。どんな仕事をしてもらうかなど事前に院生と十分なコミュニケーションを取っておくことが大切」と指摘した。