『東京新聞』茨城版2009年2月17日付

茨城大大学院 教員数、基準満たさず 昨秋発覚、報告せず


茨城大(池田幸雄学長)大学院教育学研究科・学校臨床心理専攻で、同大の設置基準で定める教員数が不足しながら、在籍する院生や文部科学省に報告していなかったことが分かった。同大が十六日明らかにした。同大は「新年度から教員を一人増やすので問題ないと思った」としているが、文科省は「望ましい状態とは言えない」と、大学側から詳しく事情を聴いている。 (沢田佳孝)

大学設置基準では、同専攻は本来、教授らで構成する研究指導教員が三人必要だが、大学側は二人しか配置していなかった。昨年十月ごろ、同大が教育内容や専門分野について、大学評価・学位授与機構(東京都)に認証評価を受けるため調査していた中で、教員不足が発覚したという。

こうした事態が生じたことについて、田切美智雄・学長特別補佐は「原因については把握していない。過去についても分からない」としている。

大学によると、同専攻には院生十九人が在籍しているが、修士号取得については問題はないと説明している。文科省は「教員不足により、教育の質が担保されていたかどうか。報告を受け、しっかりした対応を求めたい」と話している。