『北海道新聞』2009年2月17日付

道、地方の医師確保強化 奨学金枠と派遣助成拡大


道は十六日、地方の医師確保対策を強化するため、新年度予算案に関連経費約一億円を計上する方針を固めた。これまで札幌医大を対象にしていた制度を新たに旭川医大にも広げるなどの形で、地方勤務が条件の奨学金制度の対象医大生を倍増させ、自治体病院へ医師を派遣する大学への助成も拡大する。

奨学金は、卒業後の地方病院勤務を条件に札医大が設けている「地域枠」の入学者を対象に本年度新設され、在学中の六年間で計千二百万円を貸し付ける。卒業後の九年間、医師確保が困難な医療機関での勤務と研修を条件に、返済を免除する。

新年度は十人だった貸付枠を札医大は十五人に引き上げ、新たに旭医大の地域枠の七人も加え、計二十二人に広げる。新年度予算案には約五千万円を盛り込む。

医師派遣への助成は、自治体運営の医療機関に道を通じて医師を派遣する大学に対し、派遣医師一人につき年間八百万円を道が負担、地域医療の中核である自治体病院の医師確保を後押しする。

札医大は二〇〇一年度から、この制度を使っており、本年度は二十人の枠で十三医療機関に計十五人を派遣した。新年度予算案には従来の札医大の二十人枠に加え、新たに旭医大分として六人分を計上する。

北大にも制度活用を働きかけたが、地域枠の設定がないため、奨学金の対象学生がおらず、医師派遣も調整がつかなかった。道は、北大と引き続き協議を続けていく方針だ。