『読売新聞』2009年2月5日付

大学、実績で公費に差…教育再生懇
3次報告案で改革提言


政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)が今月上旬にも麻生首相に提出する第3次報告案が明らかになった。

小中学校への携帯電話持ち込みの原則禁止、大学改革、教育委員会改革を柱とし、大学改革では、各校の実績に応じて配分する公費に差をつけることで質の向上を図る方針を盛り込んだ。教委改革では、教育長や教員人事担当者への民間人登用などを求めた。

報告案では、授業料などの私費が大学財政に占める割合が、日本は66・3%と経済協力開発機構の加盟国平均(26・9%)より高いと指摘。「経営安定のため学生確保を優先し、学生や教育の質の低下を招いている」などの問題点を挙げ、国立大学法人運営費交付金や私学助成金などの公費の増額を提案した。その際、主に学生数や学部数で配分が決まる現行制度を見直し、大学の教育・研究に対する第三者評価の基準を確立した上で実績に応じた配分に改めるよう求めた。「努力しない大学は淘汰(とうた)もやむを得ず、公費を投入しない」とする厳しい姿勢も打ち出した。

このほか、〈1〉大学入試の厳格化〈2〉高校生の基礎学力を測る「高大接続テスト」の導入〈3〉トップクラスの人材育成のための大学院生への支援拡充――なども提案した。

一方、子供の携帯電話利用では、昨年12月にまとめた素案に沿って、小中学校への持ち込みを原則禁止とした。家庭には利用のルール作りを求め、電話会社にも通話や全地球測位システム(GPS)機能などに限定した機種の販売促進や公衆電話の確保を要請した。