共同通信配信記事 2009年2月7日付

53国立大1300人超雇い止め 09年度、契約上限見直しも


全国87の国立大のうち、2009年度中に契約満了で「雇い止め」となる非常勤職員は少なくとも53大学で計1355人に上ることが7日、共同通信のアンケートで分かった。28大学が「研究や業務に支障が出る」などとして、契約期間の上限見直しを実施済みか、検討中だった。

非正規労働者の雇い止めが問題化する中、緊縮財政を迫られている各大学が専門知識を備えた人材確保に苦慮している実態が明らかになった。

アンケートは1月下旬−2月初めに、全87大学の人事担当部署から聞き取りをした。76大学(87%)が非常勤職員について「就業規則で契約期間の上限を定めている」と回答。09年度中に契約満了となる非常勤職員の人数を挙げたのは32都道府県の53大学(61%)。

上限を3−5年の間で設定しているのは69大学(79%)。最長は大阪大の「6−10年」で、上限を設けていない11大学(13%)は必要に応じ1年ごとに契約更新していた。

上限の延長や撤廃を実施または検討中としたのは28大学(32%)。理由は「優秀な人でも勤務が3年間に限定され、組織の職務遂行能力が維持できない」(山梨大)、「長期の研究に支障が出る」(佐賀大)などで、職員の入れ替わりが研究活動の障害となっている実情が浮かんだ。