『河北新報』2009年1月30日付

東北大 有朋寮跡地などを一般競争入札で売却


東北大は30日、仙台市太白区の学生寮跡地などを売却する一般競争入札を公告する。青葉山新キャンパス(青葉区)の移転整備事業費の確保策で、法人化以降、国立大学法人所有の土地を一般競争で売却するのは全国で初めて。

売却物件は、太白区鹿野の旧有朋寮跡地(約0.8ヘクタール)と太白区八木山の外国人研究員宿泊施設跡地(約1.2ヘクタール)。いずれも現在は更地となっている。

旧有朋寮跡地は国道286号線に面し、仙台市長町中に隣接。約1.1ヘクタールの土地を分割して約0.3ヘクタールは年度内に市と売買契約を結ぶ方針で、残りを一般に売却する。

旧有朋寮は2006年12月、廃寮の決定に反対して使用を続けた学生に対し、建物の明け渡しを求めて強制執行が行われた。

外国人研究員宿泊施設跡地周辺は、都市計画法の特別用途地区「文教地区」に指定され、遊興施設などは建設できない。宿泊施設は07年12月に取り壊された。

国立大学法人が財産を処分する場合、公的機関への売却が優先される。東北大は宮城県や仙台市、地元学校法人との交渉を経て、契約に至らなかった土地を一般競争で処分する。入札はともに3月24日で、予定価格は公表しない。

青葉山新キャンパスには雨宮、片平両キャンパス(青葉区)の農学部と電気通信研究所が移転し、11年度に開学予定。事業費は数百億円を見込み、雨宮キャンパスや大学所有地の売却益を充てる。

東北大は「市況が低迷しているが、新キャンパス整備のため少しでも高い価格で売却したい」と話している。