『読売新聞』新潟版2009年1月26日付

地域医療3大学連携でシンポ


新潟大医学部は、秋田、琉球の両大医学部と連携して研修を行う「NAR大学・地域連携『+α専門医』の養成プログラム」を2008年度から始めた。25日には3大学の担当者が出席して初のシンポジウムが新潟市中央区の新潟大で開かれ、地域医療の実態や連携のあり方が話し合われた。

このプログラムは、04年の新臨床研修制度導入で地方の大学病院から研修医が流出している問題を受け、文部科学省が08年度から補助事業として開始。各大学病院が連携して研修を充実させ、医師確保や良医の育成につなげるのが狙いだ。5年間で年1億円程度の予算が配分される予定で、全国19件が選定され、3大学のプログラムも選ばれた。

3大学では、事業開始に合わせて研修センターを設置し、専任教員を配置。各大学での症例について意見交換できるテレビ電話システムも導入する。今後は大学間で研修医の交流も促進する方針だ。

シンポでは、文科省の選考委員会長を務めた荒川正昭・新大名誉教授が「3大学が持つそれぞれの強みを若手医師へのアピールにつなげてほしい」と呼び掛けた。プログラム責任者の鈴木栄一・新大教授は「地方で若手医師を集めるには、連携で充実した研修プログラムをアピールするのが大事。しっかり魅力を高めたい」と意気込みを語った。