『徳島新聞』2009年1月24日付

徳大、ネット上で仲介 大学の研究者と情報求める企業


徳島大学は、インターネット上で全国の大学の研究者と企業を仲介するシステムを開発し、本格始動させた。大学と企業双方の研究内容を一覧でき、詳しい情報や相手側との連携が必要なら、徳大の仲介で相手と情報交換できる。産学連携が活発化し、新商品開発や共同研究につながると期待されている。

産学官マッチングシステム「TPAS−Net」(ティーパス・ネット)と呼ばれ、徳大知的財産本部がグリーンネット社(東京)と共同開発した。同本部によると、特許情報などを検索できるホームページ(HP)は多いが、ネット上で連携に向けた仲介まで行うシステムは初めてではないかという。

情報の検索は、トップページから氏名などを登録してIDを取得し、知りたい情報のキーワードを入力して行う。関連する特許や研究者に関する情報が一覧でき、連絡したい相手がいれば同本部の担当者の仲介でメールを送る。また、キーワードを登録すれば、最新の関連情報が週一回メールで自動配信される。

情報は数年前から入力を始め、国内の特許は約八百六十万件、研究者・企業情報は約十二万件に上り、随時更新されている。HPで一般公開されている情報が中心だが、研究者が研究や技術を紹介する「シーズ情報」約四千件、自らの研究や技術で足りない部分を求める「ニーズ情報」約二百件も登録している。

今後、研究者と企業には、TPAS−NetをPRや連携の場として積極的に利用するよう働き掛ける。

同本部の佐竹弘産学連携研究企画部長は「大学は敷居が高いというイメージを払い、県内の中小企業などに研究者のノウハウを活用してもらえれば」と話している。

三カ月間は試用期間として利用無料。四カ月目から月三千円で一つのIDを得られる。問い合わせは同大知的財産本部<電088(656)7592>。HPのアドレスはhttp://www.sangakukan.net/tokushima/