『日本経済新聞』2009年1月22日付

帝人化成、山形大に寄付講座 高分子工学の研究開発に重点


帝人グループで高機能樹脂事業を手がける帝人化成(東京・千代田)は4月から山形大学工学部(山形県米沢市)に高分子ナノ構造制御工学をテーマとする寄付講座を開設する。学生への教育機能も備えるが、実用化に向けた研究開発機能をより重視する。山形大は「第一線の若手研究者が集う高分子工学の拠点」として期待している。帝人化成と同大工学部の双方にとって寄付講座の開設は初めて。

講座は大学院理工学研究科に設置。今春定年退官予定の井上隆教授(東京工業大学名誉教授)を客員教授に招く。同教授は高分子の高次構造制御や材料特性が専門で、繊維学会賞やオーエンスレーガー賞などの受賞歴をもつ第一人者。

講座では同教授を中心にナノ構造制御技術の開発や高性能材料の創製などに取り組む。プラスチック成型加工技術の高度化などにもつながるという。

開設期間は3年間。研究運営費として帝人化成が年額2000万円を負担する。工学部のある米沢市は帝人発祥の地としても知られる。