ニュースレター NO.10
                    2009、1,20

公正な学長選考を求める裁判を支える会

事務局:高知県高知市曙町2−5−1 高知大学教職員組合内
        (TEL/FAX 088−844−1489)


○高松高裁が裁判地に関する国側の主張(即時抗告)を退けました
 ー高知地裁での裁判実施の展望が大きく開かれました

 前回のニュースレターNo9において、行政訴訟の裁判地に関して係争中ということをご報告しました。その際「もう少しお待ち下さい」とお伝えしましたが、ついに1月13日、高松高裁は、「本件即時抗告を棄却する」という決定を行いました。

 つまり、国側の「裁判を東京地裁か高松地裁に移せ」という主張は、全面的に退けられ、当初の予定通り高知地裁で裁判を行うよう高裁が決定したということです。内容的にも、ほぼ我々(原告側)の主張が認められています。

 この決定に対しては、国側は5日以内に憲法違反を理由とする最高裁への特別抗告ができます。したがって国側の出方によっては、まだこの問題が最終決着しないという可能性はまだ残されています。

 しかし、高知地裁での裁判の開始という展望は確実に切り開かれつつあります。前号の記事の最後を「大学内の状況を見るに、ますます私たちの裁判の重要性は高まってきています。」と結びましたが、富山大の学長選考を巡る問題(裏面参照)も考えると、学内のみでなく全国的にも私たちの裁判の重要性は増しています。

 民事訴訟の提訴から数えると、すでに一年以上が経っていますが、まだ私たちは裁判の入り口にたどり着いたばかりです、ねばり強く闘いを進め、審理を通じて不透明で不公正な学長選考の実態を白日のもとにさらしましょう。そして、そのことを通じて私たちの大学を「まともな」大学に変えて行こうではありません
か。

 この一年間、大学運営において、「なぜこんなことが行われるのだ」、「なぜ、こんなことがまかり通るのだ」というようなことばかりだったというのが多くの人に共通する思いなのではないでしょうか。それら、すべての「おかしなこと」の出発点が一昨年の学長選考です。そこからきちんと正すことこそが、高知大学から「おかしなこと」を一掃する道です。

 私たちは、裁判を単に法律の条文解釈や、手続きを巡る議論で終わらせるつもりはありません。高知大学を変えていく闘いの第一歩が、行政訴訟の開始という形で今踏み出されようとしているのです。
 

○ 富山大学長選続報

 ニュースレターNo9において、富山大学の学長選考で、意向投票の結果を完全に無視する決定を学長選考会議が下し、これに対してこれに対して、大きな批判が巻き起こっていることをお伝えしました。その続報です。

相次ぐ教授会声明

 富山大学の人文、人間発達、経済の三学部教授会が12月10日それぞれの教授会において抗議声明を発したことはすでにお伝えしました。それに引き続いて、理学部、医学部、薬学部の三学部教授会がそれぞれ、「声明」や「要望」を出しています。富山大学は全部で8つの学部からなる大学ですから、これで、工学部、芸術文化学部の二学部を除く6つの学部がこの問題について声明を出しているということになります。それぞれの「声明」の内容は少しずつ違いますが、大筋において学長選考会議の決定を批判し、学長に「良識ある決断」(薬学部教授会声明)を求めるというものです。

監事の奇妙な動き

 富山大学教職員組合の伝えるところでは、富山大学監事が、人文、人間発達科学、経済、理の教授会声明及びそのウェブサイト掲載について各学部長宛の監査実施連絡書を提出したということです(12月24日、26日)。同職員組合は
「監事の監査権限を濫用した、教授会による自由な見解表明に対する介入である」として同監事に対して1月13日付けで委員長名の公開質問状を発しています。文部科学大臣によって任命された監事が、伝えられるとおり、その中立性を疑われるような行動を取っているとするならば、これは国の任命責任も問われるような由々しき事態であり、我々も注目したいと思います。

支援の動きの拡大

 「富山大学発 日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会」が1月12日に発足し、「教職員の意向調査を無視した今回の富山大学の学長選考は、学問共同体としての大学に求められる大学自治を蹂躙する暴挙である」というアピールを発し、このアピールへの賛同署名をweb上で募っています。これは以下のURLから入ることができます(web署名した個人の名は特定されないようになっています)。
 http://tomidaikiki.hp.infoseek.co.jp/ 

 また、「国立大学法人法反対首都圏ネットワーク」http://www.shutoken-net.jp/ のホームページではこの間の富山大学の動きを細かくフォローしています。各学部の声明、上で述べた職員組合の監事への公開質問状などを見ることもできます。また、これまで山形大と高知大だけだった「学長選挙転覆問題」のところには富山大学の問題がアップされています(高知大学より文字が大きいのが少し癪ですが・・・)。上で触れたアピールへの賛同署名にはこちらから入ることもできます。