『静岡新聞』2009年1月8日付

連合大学院4月開設、小児発達学研究科 浜松医大


浜松医科大は今年4月に大阪大、金沢大とともに連合大学院「小児発達学研究科」(博士課程)を開設する。修士以外にも教育に携わる社会人に門戸を開放するほか、他分野の講義受講や他大学の学生との集中演習などをカリキュラムに盛り込み、子どもの心の問題に総合的に対応できる専門家の養成を目指す。

連合大学院は、複数の大学が得意分野の講座を提供し合う大学院の形態で平成16年度に制度化された。これまでは教育学系や農学系の同一分野同士が多かったが、新たな連合大学院は学問の枠を超えた全国初の“異分野融合型”。浜松医科大は画像生物学、社会支援学、疫学統計学を担う。

入試は各大学共通で実施。修士以外にも、子どもの心にかかわる経験を持つ医師や学校教員、スクールカウンセラー、看護師ら第一線の現場で活躍する社会人に門戸を広げたのが特徴の1つ。面接や書類による資格認定審査を通過すれば修士と同じように受験できる。

1年目は他分野も含めた基礎学力を身に付けるため遠隔会議システムを活用して他大学の講義も受講できる。2年目は夏季、冬季の長期休暇に他大学の学生と1カ所に集まり演習を実施する。3年目は浜松医科大の専門分野の中からテーマを選んで論文作成に当たる。

社会人の入学者に配慮し、1―2年目は夕方以降に授業を設定した。連合大学院全体の専属教員は23人。初年度の入学定員は3大学で計10人(浜松医科大は3人)で出願は既に締め切った。

連合大学院を担当する浜松医科大子どものこころの発達研究センターの武井教使教授は「異分野を知ることで新たな観点から解決法を探ることができる。教育現場で活躍する人に学んでもらい、社会に還元できる人材を育てたい」と意気込む。