『北海道新聞』2009年1月12日付

北見工大に医療工学専攻 道内初、大学院へ新設検討


【北見】北見工大は、大学院の博士後期課程に道内初の「医療工学専攻」を設置する検討を始めた。高齢化社会を見据え、人工血管の開発など工学の技術で医療に貢献する研究者を育成する。早ければ二〇一〇年度の設置を目指す。

現在、北見工大の博士後期課程はシステム工学、物質工学の二専攻。これを再編し、医療工学専攻の新設を目指す。博士後期課程の改組は、一九九七年の同課程設置以来初めて。

医療工学専攻の研究対象は、義手、義足をはじめとする補装具の開発、コンピューター断層撮影装置(CT)など画像診断のデータ処理、新しい化学材料を応用した人工血管など人工人体組織の開発などが考えられる。こうした分野を専門にする研究者がすでに学内に十人前後いる。

また、北見市内の医師、歯科医師らが北見工大の教授らとともに〇三年に「北見医工連携研究会」を設立し、学内の医療工学系の優れた業績を毎年表彰し若手研究者を後押しするなど全国的にも珍しい取り組みをしていることも、今回の検討着手の背景にある。

博士後期課程の見直しを担当する同大理事の高橋信夫教授は「過疎地や寒冷地に求められる医療技術に役立つ研究をしたい」と話している。