『読売新聞』群馬版2009年1月7日付

小児科医13人引き揚げ
群大医会方針、9病院から


群馬大が館林厚生病院(館林市)など関連病院への常勤医の派遣数の縮小を検討している問題で、同大小児科医会が6日夜に同大で開かれ、来年度は、同病院など最大で9病院から計13人を引き揚げることを決めた。県内では、最大で8病院の11人が引き揚げられ、うち館林厚生は、現在の2人から0人となるため、入院治療ができなくなる見通しとなった。

◆館林厚生、入院不可能に

同医会によると、来年度の常勤医の派遣数は、館林厚生が2人減となるほか、公立富岡総合病院(富岡市)が3人から2人(1人減)、県立小児医療センター(渋川市)が13人から11人(2人減)、同大医学部付属病院が18人から16人(2人減)など。佐久総合病院(長野県佐久市)も、4人から2人になる。ほかの県内4病院については、常勤医の意向に未確定の部分があるため、公表を控えた。

同医会には関連病院への派遣も含め、小児科医77人が所属。出産や開業などで3月末に離職者や常勤を外れる医師が十数人出るため、派遣先の縮小を検討していた。

同日夜に記者会見した同大小児科の荒川浩一診療科長は「医会で、『苦渋の選択で、派遣できない』という現状を説明した。非常勤で補えるよう検討したい」と話した。

一方、館林厚生のある邑楽館林地区の1市5町は、同大と県に約12万9000人分の署名を提出し、医師確保を依頼してきた。館林市の安楽岡一雄市長は「大学からの正式な話は伺っていない」とした上で、「署名の重みを真摯(しんし)に受け止めてもらえなかったことは大変遺憾。住民が不安を募らせることのないよう、今後も小児科が維持できるように全力で取り組む」とのコメントを出した。