『河北新報』2009年1月7日付

東北大病院、残業代未払い 260人分5500万円


東北大病院(仙台市)が医師の残業代を月30時間で打ち切り、2006―07年度の未払い額が約5500万円に上ることが7日、明らかになった。残業代が支払われなかった医師は延べ約260人で、一人150万円以上のケースもあった。病院は1月中に未払い分全額を支払う。

病院によると、国立大学法人化された04年4月以降、手術記録などで残業が確認できる産科や小児科、麻酔科の医師には月60時間の残業を認めたが、ほかの医師は労使間協定で確認した月30時間程度で打ち切っていた。

勤務時間は医師の自己申告制で、当時は出勤と退勤時刻だけを届けていた。病院によると、医師の業務は診療と個人の研究との区別が付きにくいため、残業の実態把握が難しかったという。

勤務医から相談を受けた仙台労働基準監督署が07年12月、未払いを指摘。08年3月には是正を勧告した。病院は残業代を適正に支払うよう改めた上で、06―07年度の未払い分を調査していた。