共同通信配信記事 2008年12月24日付

中教審、大学教育向上策を答申 文科相に


中教審(山崎正和会長)は24日の総会で、大学が学生の成績評価や卒業認定を厳しくし、教育方法や卒業単位数を見直すなどして学士課程の水準を維持、向上させるよう塩谷立文部科学相に答申した。

答申は、学生が大学で共通して身につけるべき「学士力」について、知識や論理的思考力、コミュニケーション能力などの指針を提示。学部などの分野別に共通する教育内容を示した「コア・カリキュラム」を学会がつくることや、大学が学習成果を明確にした教育課程を編成するよう求めた。

書類審査や面接などによるアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試は、学生数の確保目的で早期に実施することを避け、学力を適切に把握して行うよう求めた。

また、高等専門学校についても各校の知的財産を共有する仕組みをつくり、教育研究活動に生かすことなどの振興策を答申。教員の確保では定年退職した技術者らも積極的に活用、施設や設備の更新も促進するよう促した。大学への編入学枠を拡大し、進路の多様化に対応するよう求めた。