『北國新聞』2008年12月21日付

「子どもの心」専門家育成 金大に新大学院 大阪大などと連合


金大は来年度、子どもの心の専門家を育成する博士後期課程大学院「小児発達学研究科」を大阪大、浜松医科大と連合で新設する。言語学から遺伝子科学まで、文系と理系を横断して体系的に学ぶ連合大学院は全国初。財務省原案に運営費交付金が盛り込まれた。

連合大学院では、うつや不登校、虐待被害、発達障害など現代の子どもが抱える心の問題に科学的な視点から取り組む児童精神科医やスクールカウンセラーなどを養成する。入学定員は計十人で、金大に設けられる「こころの相互認知科学講座」は三人を受け入れる予定。入学試験は来年一月二十二日に大阪大で行われる。

厚生労働省が心のケアを専門とする外来や病棟を備えた「子どもの心の診療拠点病院」を全都道府県に整備する方針を固めるなど、国はこれまで手薄だった子どもの心の診療体制構築に力を入れ始めている。連合大学院は先進的な研究や専門家育成の面で重要な役割を担うことになる。