『福井新聞』2008年12月18日付

601万冊、一度に検索 県立図書館が県内大学などと協定


県立図書館は17日、県立大など福井県内の大学や短大7校の付属図書館と相互協力協定を締結した。福井大とは昨年10月に協定を結んでおり、これで県内すべての高等教育機関と県市町図書館の計45館の蔵書約601万冊を一度に検索でき、各図書館の窓口で本を借りられる体制が整った。

来年1月から、このうち35館の蔵書約547万冊を検索できるシステムの運用が始まり、一般県民にとっては縁遠かった学術専門書が利用しやすくなる。

今回締結したのは、県立大(蔵書約32万冊)福井工大(約16万冊)仁愛大(約8万冊)仁愛女子短大(約9万冊)敦賀短大(約6万冊)福井医療短大(約2万冊)福井高専(約9万冊)。

県立図書館の蔵書約99万冊、12市町の図書館約329万冊、福井大の約61万冊をインターネットでまとめて検索できる県立図書館の「県内図書館総合目録(横断検索)システム」への加入が決まった。

福井工大、敦賀短大、福井医療短大は来年度中の同システムへの参加を目指しており、池田や美浜など5町の7館(計約30万冊)は今後順次参加していく。福井工大の蔵書検索については、1月のシステム運用開始に合わせ、同システム画面から大学図書館の検索画面に接続できるようにする。

今回の締結で、県と市町図書館の窓口で高等専門機関の蔵書約143万冊の中から専門書を借りられるようになり、遠隔地利用者にとっても大学や短大の図書館が“身近”になる。一方、学生や教職員は自校の図書館で公立図書館の約458万冊の貸し出しが受けられる。

福井市の県立図書館で行われた協定調印式には、各校の図書館長や学校長ら8人が出席。県立大の赤羽義章図書館長は「車がない学生にとっては公立図書館へ行きにくい面があった。ネットワークの成立は大変ありがたい」と話し、福井工大の大家寛図書館長は「より深く勉強したいと願う県民に貢献できる」と述べた。

横断検索システムは1月4日以降、県立図書館のホームページ(http://www.library.pref.fukui.jp)からアクセスできる。借りたい図書が見つかったら近くの図書館に申し込めばよい。図書は、県立図書館の定期宅配便で各図書館に届けられる。