『長野日報』2008年12月17日付

信大に寄付講座設置へ 医師不足で県予算要求


県内の医師不足対策として、県衛生部は来年度、信州大学に寄付し、地域医療の在り方について研究を依頼する「寄付講座」を設置する方針を固め、来年度の予算要求に盛り込んだ。設置期間は来年度から3年間。医師の確保や養成のほか、病院間ネットワークを含めた地域への医師供給などについて方策を探る。

医師養成プログラムの開発や研修システムの構築などを通じ、産婦人科や小児科、麻酔科などの医師の養成や確保につなげたい考え。医療機関のネットワーク構築による地域への医療供給体制の充実も研究の柱に据える。講座の名称や予算額などは未定だが、数千万円の予算規模になる見通し。

地域医療に関する寄付講座は、長崎県や宮城県、石川県など12県が15講座を開設している。自治体との連携による大学への寄付講座開設は、少子化などで学生確保を図りたい大学にとってもアピールの機会になるとみられる。

県医師確保対策室の桑島昭文室長は「優れた育成プログラムができれば多くの医者が集まる要因にもなる。県自前の医師を育てるとともに、信大の魅力を向上させる講座にしたい」と意気込んでいる。