『秋田魁新報』2008年12月16日付

秋田大が学生支援策 経済悪化を受け授業料など貸与


秋田大学は、国内外の経済状況の悪化を受けて、経済的に困窮する学生に生活資金や授業料などを無利子で貸与する「緊急支援策」を年内にスタートさせる。同大と取引のある業者に対しても、支払い事務の迅速化を進めるなどして資金調達に役立ててもらう。吉村昇学長らが15日、県庁で会見を開き、明らかにした。

今回の支援は、日本学生支援機構の奨学金や銀行ローンなどを利用できない学生(留学生、大学院生を含む)が対象で、卒業3年以内に全額返済することが条件。書類審査や面接を経て、1回の申請で10万円を上限に資金貸与する。

また、9月に行われた同大大学院の試験に合格し、来春入学する学生の中で、保護者のリストラや倒産などのため、入学金が支払えなかったり、授業料を納入できない学生には、相当額を特別支援金として貸与する。吉村学長は緊急支援策について「経済情勢が悪化し、学生の困窮が深刻化する中で、大学として黙って見過ごすわけにはいかない」としている。