『富山新聞』2008年12月12日付

富山大学長選の選考結果に異議 3学部教授会が声明


富大人文、人間発達科学、経済の三学部の教授会は十一日までに、学長選考会議(議長・金岡祐一富山国際学園理事長)が次期学長候補に西頭徳三現学長を再選したことに、異議を唱える声明を出した。声明では、教職員対象の二度の意向投票で最も得票数が少なかった西頭氏を選んだことは、学内の意向を無視するものなどとしている。

三学部は十日にそれぞれ教授会を開き、出席者の総意として声明を発表した。いずれの声明も「意向投票の結果が反映されず無視された」「学長選考会議の結論は大学の自治に反する」などの内容となっている。人間発達科学部の佐藤幸男学部長は「異議を唱える学部が足並みをそろえ、学長選考会議に説明責任を問う文書を送付する方向で調整したい」としている。

西頭学長は富山新聞社の取材に対し、「学長選考会議が慎重に出した結論を受けた。意向投票でほかの候補に投じられた票は批判と受け止め、今後の大学運営に生かしたい」と述べた。

富大学長選では、西頭学長と大学院理工学研究部(理学)の平井美朗理学部長、大学院医学薬学研究部(医学)の倉知正佳特任教授の三人が名乗りを挙げ、二度の意向投票はいずれも平井氏、倉知氏、西頭氏の順だった。

学長選考会議は学外、学内の各十二人の委員で構成され、四日の会議には学外九人、学内十一人が出席。金岡議長が協議による絞り込みは困難と判断して投票を行い、西頭氏が過半数の十一票を獲得して再選された。

富大の学長選考規則では、学長選考会議は「選考の参考とするため」投票による意向調査をすることができると定めている。