『北日本新聞』2008年12月4日付

西頭学長が再選 富山大、地域再生塾を創設


富山大の次期学長を決める学長選考会議(議長・金岡祐一富山国際学園理事長)が四日、富山市の同大五福キャンパスで開かれ、西頭徳三学長(70)の再任を決めた。午後五時から西頭氏と金岡議長が記者会見し正式発表する。

西頭氏のほか、倉知正佳大学院医学薬学研究部特任教授(66)、平井美朗大学院理工学研究部教授(60)が、それぞれ准教授以上二十人の推薦を受け、次期学長候補となっていた。学内の教職員が投票した十一月の二度の意向調査を踏まえ、学長選考会議の委員が協議して決めた。

選考会議は、各学部長ら学内委員十二人と、学外委員十二人で構成。候補者で理学部長の平井氏はメンバーから除かれ、石井知事と森富山市長の両委員は公務のため欠席した。

この日の選考会議では午前中に、五十音順に倉知氏、西頭氏、平井氏がそれぞれプレゼンテーションで目指す大学の在り方などを説明し、委員との質疑に臨んだ。午後から委員による協議が行われた。

選考は、十一月十四、二十八日に行った学内意向調査結果を含めて総合的に判断した。西頭氏は二度の調査で、いずれも得票数が最も少なかったが、一期目の実績やプレゼンテーションの内容が評価されたとみられる。

西頭氏は、富山大、富山医薬大、高岡短大の旧三大学が統合して発足した新富山大の初代学長として、組織再編による学内融和を推進。地域の企業や自治体と相次いで連携協定を結んだほか、十一月には地域活性化に取り組む人材を育てる「地域再生塾『高度差4000』」を立ち上げるなど、地域貢献の仕組みづくりに意欲的に取り組んだ。

任期は平成二十一年四月一日から二年間。学長の任期は四年だが、再任は二年。

■さいとう・とくそう■ 昭和47年、京都大大学院博士課程中退。同大助手、山口大農学部助教授などを経て平成2年から愛媛大教授。副学長も務めた。15年から旧高岡短大学長、17年から富山大学長。専門は農業経済学。旧福光町生まれ、70歳。

■選考会議メンバー
▽学外委員=◎金岡祐一(富山国際学園理事長)石井隆一(県知事)示村悦二郎(元北陸先端科学技術大学院大学長)舘野政也(とやま医療健康センター顧問)金川克子(石川県立看護大参与)中尾哲雄(ITホールディングス会長・インテックホールディングス会長)山田圭藏(元北陸電力会長)北野芳則(元YKK副会長)松井竹史(テイカ製薬社長)東野宗朗(県教育長)森雅志(富山市長)橘慶一郎(高岡市長)

▽学内委員=畑中保丸(医学薬学教育部長)広瀬貞樹(理工学教育部長)小川洋通(人文学部長)佐藤幸男(人間発達科学部長)三浦哲男(経済学部長・副議長)平井美朗(理学部長)宮脇利男(医学部長)前田一樹(芸術文化学部長)済木育夫(和漢医薬学総合研究所長)山田恭司(理学部評議員)寺山清志(工学部評議員)遠藤俊郎(付属病院評議員)(◎は議長)