『中日新聞』2008年12月17日付

浜松医大と阪大、金沢大が共同で 4月に連合大学院を開設


子どもの専門家養成

発達障害や青少年犯罪など、子どもにまつわる問題の専門家を育てる「連合大学院」が、浜松市東区の浜松医科大をはじめ、大阪大、金沢大の3大学の共同で来年4月に開設されることになった。医学、心理学、教育学など学問の枠を超えた研究機関。当初の見通しより開設が1年先延ばしとなったものの、研究者や実践的指導者を育成する拠点となることが期待される。

3年制の博士後期課程の大学院で、名称は「小児発達学研究科」。修士課程修了者か医師、看護師、臨床心理士など、子どもの心の問題に携わっている社会人が対象。

専攻分野により3大学に振り分け、浜松医大は発達や行動などの測定を研究する疫学統計学、大阪大は分子生物遺伝学、金沢大は社会認知生物学など。遠隔会議システムで他大学の講義を聴講することもある。

一学年の定員は10人で、既に09年度入学志願者の募集を始めている。

浜松医大と大阪大は06年、広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)など発達障害の要因を探る「子どものこころの発達研究センター」を設置、翌07年には金沢大が加わり、共同で研究を進めていた。

連合大学院 2つ以上の大学が協力して設置する大学院。得意分野を生かし、より高度な教育や研究を可能にする。研究の中核となる博士課程の設置を目指す場合と、相互に単位を取得できるようにする場合がある。