『読売新聞』東京多摩版2008年12月11日付

私費留学生に緊急奨学金 東京外大 円高対策で支給へ


東京外国語大(府中市)は10日、円高の影響で経済的に厳しい生活を送っている留学生のために、緊急支援として奨学金を支給すると発表した。30人に1人10万円ずつで、支給総額は300万円。円高対策で留学生を支援するのは全国的に珍しいという。

支給の対象は、円高の影響を強く受けている韓国やインドネシア、ネパールなど8か国が母国の私費留学生。対象となる留学生は118人おり、成績よりも経済的な事情を優先的に考慮する。支給枠は、学部生15人と大学院生15人。今年4月1日と10月31日の通貨を調べた結果、円に対する韓国・ウォンの価値が約25%下がっており、その他の対象となる国でも2割近く落ちていたという。

「家賃が支払えなくなった」などの相談が寄せられたこともあり、同大は対策に乗り出した。奨学金の財源には、同大の同窓生らの募金で作る同大百周年記念教育研究振興基金を充て、来年3月までに支給する。同大広報課は「今後の経済情勢を見て、必要であれば更に対策を検討したい」と話している。