『北海道新聞』2008年12月10日付

室工大と企業、連携進む 共同・受託研究 昨年度7件増、123件


室蘭工大が二〇〇七年度に民間企業などと行った共同研究や受託研究は、前年度比七件増の百二十三件、研究費は同二千三百六十万円減の一億九千九百六十万円と、いずれも過去二番目の高水準だった。地域貢献を掲げ企業などとの連携を強める室工大の取り組みの順調さを裏付けている。(東野純也)

室工大地域共同研究開発センターがまとめた。共同研究は同二件増の九十一件、研究費は同八百四十万円増の一億一千五百三十万円。受託研究は同五件増の三十二件、同三千二百万円減の八千四百三十万円だった。

企業や公益法人、行政機関などからの受託研究は大口が前年に比べやや減ったが、共同研究は一件当たりの研究費も百二十七万円と前年を上回った。

室工大は、国立大の独立行政法人化などを機に、地方大学の特色を出そうと、企業や地域と連携を活発化させている。共同、受託研究の件数はこの七年で倍以上となり、企業などがかける研究費用も増加傾向にある。

同センター長の加賀寿教授は「繰り返し研究を持ちかける企業も多く、大学への期待は高まっている」と手応えを話す。実績が評価され、日本経済新聞社発表の全国大学の地域貢献度ランキングでは、昨年の一位に続き、今年も二位だった。

企業など向けに教員の研究を分かりやすくまとめた「シーズ集」に掲載する教員は、今年は二十二人増えて計九十人と、全教員の半数近くになった。加賀教授は「今後は研究を新規事業や商品開発につなげるなど、より企業ニーズに応えられるようにしたい」と話す。