共同通信配信記事 2008年12月5日付

4年間で国立大全病院にNICU 文科省が整備計画


満床などを理由に、病院が妊婦の受け入れを相次ぎ拒否した問題を受け、文部科学省は5日、2009年度から4年間で、現在9つの国立大病院で新生児集中治療室(NICU)がない状況を解消し、全国立大病院の半数に当たる21病院では、周産期医療の関係病床数(国立大平均11・4床)を各20床に増やす整備計画を公表した。

文科省調査で、大学病院の関係病床数(分院を除く)が私立大の平均29・8床、公立大の平均16・0床に比べ、国立大が少ない実態が判明。文科省は若手医師育成の充実や産科・小児科の女性医師の復帰支援なども含め、地域の周産期医療の拠点として国立大病院の機能強化を目指す。

しかし、妊婦受け入れ拒否の要因とされているNICU不足は、厚生労働省研究班の調査で全国で約1000床に上るとされ、ほかの大学病院や国公私立の病院の整備も急務となっている。

計画では山形大、福井大、山梨大、佐賀大、長崎大などNICUがない9大学病院に最低各6床を設置。NICUと、母体・胎児集中治療室(MFICU)、継続保育室(GCU)を合わせた周産期医療の関係病床数を少なくとも21大学病院で各20床にする。

09年度予算で58億円を概算要求しており、今後、人材確保や施設の状況などをみて対象病院を決める。