時事通信配信記事 2008年12月5日付

国立大で新生児ICU増設=周産期医療強化、文科相が表明


妊婦の救急搬送が病院に拒否される事態が相次いだ問題を受け、塩谷立文部科学相は5日、大学病院での周産期医療を強化する計画を表明した。新生児集中治療室(NICU)の稼働率が9割を超えることなどから、NICUがない国立大9校の付属病院に、2012年度までに最低6床ずつ新設するなどの施設整備を進める。

塩谷文科相は「周産期医療の体制構築は喫緊の課題。特に少ない国立大病院の病床数を高めていきたい」と語った。高度な医療を習得できる場を増やし、産科・小児科医の技能を向上させる狙いもある。

大学病院(本院)のNICUや母体・胎児集中治療管理室、継続保育室の病床数は、医学部のある国立42校で平均11.4床。公立の16.0床、私立の29.8床を下回る。計画では、4年間で国立大の半数にこれらを最低20床ずつ確保する。

NICUなどには専任医師を常駐させる必要があるため、公私立大を含め、人材確保・養成も支援する方針だ。