『富山新聞』2008年12月5日付

富山大学長に西頭氏再選 投票で過半数 「改革を仕上げる」


富大の学長選考会議(議長・金岡祐一富山国際学園理事長)は四日、同大五福キャンパスで開かれ、西頭徳三学長が再選された。同会議では候補適任者三氏を面接した上で欠席者と議長を除く委員二十人が無記名投票を行い、西頭氏が過半数の十一票を獲得した。西頭氏は会見で「これまで取り組んできた大学改革を仕上げたい」と述べた。任期は二〇〇九年四月一日から二年間。

初めに、教職員を対象に行われた二度の意向投票ではいずれも、大学院理工学研究部(理学)の平井美朗理学部長、大学院医学薬学研究部(医学)の倉知正佳特任教授、西頭学長の得票順だったことが報告された。三氏が抱負を述べ、選考会議の委員との質疑応答が行われた。

選考会議では、意向投票の結果を尊重すべきだとする声と、会議の結論は別問題とする意見に分かれたため、金岡氏が「協議による候補者の絞り込みは困難」と判断、無記名投票を行った。この結果、西頭氏十一票、平井氏七票、倉知氏二票となり、西頭氏の再選が決まった。

西頭氏は「教養教育の統合、人文社会芸術系大学院(修士・博士課程)の創設などを今後も進めたい」と抱負を述べる一方、意向投票の結果を二期目の大学運営に生かすとした。

さいとう・とくそう 京大大学院修士課程修了、山口大、鳥取大などを経て1990年から愛媛大農学部教授、同学部長、評議員、副学長を歴任、2003年11月から高岡短大学長、05年10月から現職。専門は農業経済学。南砺市出身、富山市在住、70歳。