『しんぶん赤旗』2008年11月29日付

高い学費 研究を圧迫
全院協が文科省など要請


全国大学院生協議会(全院協、秋山道宏議長)は二十八日、研究環境の改善などを求めて財務省、文部科学省、国会議員への要請行動をおこないました。各地から約三十人の大学院生が参加しました。

“書籍を買えない”

要請内容は(1)学費の段階的無償化と減額・免除制度につながる予算措置(2)国立大学運営費交付金と私学助成のマイナスシーリングをやめて大幅増額を(3)院生の研究環境と経済的支援の向上(4)無利子奨学金の採用枠や返還免除枠の拡大と給付制奨学金制度の創設(5)院生の就職実態の調査と就職率向上―の五項目。

国会内でおこなわれた財務、文科両省への要請で秋山議長らは、全院協が実施した大学院生の経済実態にかんするアンケート調査の結果も示して、「学費の負担が重すぎ、親に依存せざるをえなかったり、長時間のアルバイトのため研究時間が圧迫されたりしている」と指摘。書籍が購入できなかったり、学会に参加できなかったりと院生の研究活動そのものに支障が出ている現状を訴えました。

各地の院生からは、「就職率が五割を切っているなかで、奨学金の返済に不安があり、借りることがためらわれる」「大学運営費交付金が削減されたため、きちんとした研究条件が保障されなくなっている」「高い学費は授業にみあうものなのか。授業料を決めた根拠は何か」などの声が相次ぎました。

財務省の担当者は「国立の授業料の根拠はない。私学との均衡を図るために上げてきた」と回答。文科省の担当者は、来年度予算の運営交付金などの削減には反対しているとのべました。

両省への要請には日本共産党の大門実紀史参院議員の秘書が同席しました。