『南日本新聞』2008年11月29日付

鹿銀・鹿大が農業で連携 経営システム開発へ
生産性向上支援


鹿児島銀行(鹿児島市)と鹿児島大学(同市)は28日、農業の生産・収益性向上を図る経営管理システムを共同開発する連携協定を結んだ。大学の持つ知識を生かし、来年末をめどにシステムを構築、鹿銀の取引先農業法人に導入する。行政とも連携し「産官学金」の枠組みで農業経営の大規模化、高度化を支援する。

鹿銀によると、システムは、(1)栽培管理(2)原価計算(3)財務計画(4)販売管理−を詳細に把握、それぞれを関連づけ、多面的な経営分析を可能にする。

農業分野では、経営管理が確立しておらず、勘に頼るなど、十分な経営分析をしていない生産者が多かった。データ化により、銀行は融資や経営改善のアドバイスをしやすくなるという。

開発には、すでに一定のデータ収集に取り組んでいる日野洋蘭園(さつま町)が協力。システム構築には日本システム(鹿児島市)も参加する。

鹿児島市の城山観光ホテルで協定書に調印した永田文治頭取は「大学の知的集積を地域に仲介し、農業の発展につながることを期待している」。吉田浩己学長は「農学部を中心に全学を挙げて協力したい」と話した。