『北國新聞』2008年11月27日付

留学生増員、1000人規模 金大、2020年めどに


金大は二〇二〇(平成三十二)年をめどに、海外からの留学生を現在の三倍以上の千数百人規模に増員する。今年度中に中国やタイ、ベトナムなどに常設の海外分室を初めて設置し、各国のトップ大学と重点交流協定を結んで学生、研究者間の交流を促進する。「東アジアの知の拠点」として地位を確立した後は欧米への展開も計画する。

金大に在籍する留学生は現在、約三百五十人。増員は、国内に約十二万人いる留学生を二〇二〇年をめどに三十万人に増やそうと文部科学省などが策定した「留学生三十万人計画」を受けて進められる。

学内には長野勇理事(研究・国際担当)・副学長をリーダーとする学長の諮問機関「国際交流本部」を新設し、具体策を検討する。国が来年度中に選定する「グローバル30(国際化拠点大学30校)」入りも目指す。

海外分室(リエゾン・オフィス)は、留学情報の提供や留学生受け入れを円滑に進めるため、各国主要都市の大学内に開設する。分室の設置は中国やタイ、ベトナム、インドネシアで内定している。

さらに、大学間交流協定を締結した上で積極的に留学生、研究者交流を行う「金大モデル」を構築するため、各国のトップ大学を対象に重点交流協定校を設定する。重点交流協定校からの留学生には授業料の減免などを行う方針。中国の華東理工大(上海市)と既に協定を締結しており、今後十校程度を順次協定校に設定する。

長野理事・副学長は「広く東アジアから優秀な人材を受け入れることを柱に金大の国際化を進めていく」と話した。