『読売新聞』2008年11月25日付

「宇宙基本計画」骨子判明、日本の衛星情報を外交に活用


宇宙に関する国家戦略の基本方針を定める「宇宙基本計画」の骨子が24日、明らかになった。

政府の宇宙開発戦略本部で検討し、来年5月に策定、以後5年間の新たな宇宙開発や防衛利用の具体策を示す。

政府がまとめた骨子では五つの基本方針により、計画の具体化を図るとしている。特に、宇宙開発を軸とした国際協力の推進を強調。

日本の情報や技術を、政府開発援助も含めた「外交ツール」として活用することで、国際社会に貢献する。

具体的な中身として、アジア・太平洋地域の三十数か国に対し、気象観測情報や大規模災害時の衛星画像を提供することに触れた。

一方、国内政策では、中小企業や大学などが持つ技術を生かし、産官学の連携で技術基盤の強化を図る必要を指摘している。

宇宙基本法により、新たな情報収集衛星の打ち上げなど、宇宙の防衛利用拡大が図られる。この点については専守防衛の範囲内で、安全保障分野での新たな宇宙開発を検討するとした。