『陸奥新報』2008年11月21日付

弘大が新エネ研究センターを青森に設置 他大学と共同大学院も


弘前大学は20日、青森市内で会見し、「北日本新エネルギー研究センター」について、来年4月、青森市松原2丁目の旧市民図書館内に設置すると発表した。県内外大学との連携、支援を得て(1)二酸化炭素(CO2)排出削減(2)エネルギー自給率アップ(3)地域新産業創出―に向けた研究拠点とする。

会見では、文部科学省が来年3月に施行、2010年度からスタートする「大学教育課程の共同実施制度」に応募し、将来的に他大学との共同設置型大学院を設置する構想も表明した。研究センターと連携し、エネルギー分野の人材育成を図る。

会見ではセンター設置の背景に、地球温暖化問題対策や日本のエネルギー供給体制を変換すること、新エネルギー資源の利用により地域の新産業を創出、雇用を生み出す必要があること―を挙げた。青森公立大と北海道、秋田の3大学と連携し、東北、東京各大学の支援を得た上で研究拠点を形成し、エネルギー問題に対処する研究を進展させる。

研究内容は太陽、水素エネルギーなどを対象とした「エネルギー変換技術開発」、海洋エネルギー発電や地中熱利用などを扱う「新エネルギー利用システム開発」、防災関連の「エネルギー防災安全システム開発」、産業関係の「エネルギー産業創造開発」の4部門。

人員はスタート時点で少なくとも専任教員を1人、来年度中には4人を配置。青森市に設置する理由には、北海道・北東北の中心部という立地条件、交通アクセス性の高さを挙げた。センターは、旧市民図書館へ暫定的に5年間設置し、その後、同市内の別な場所に改めて置く。

また、共同設置型大学院は学部に直結していない独立した大学院との位置付け。エネルギーに関する教育分野で、青森公立大、北海道、秋田などの大学と連携し、「総合エネルギー学履修コース」などを設けたい意向だ。

会見で遠藤正彦学長は「センターは期待が大きく、自然エネルギーの一大研究所をつくるため頑張っていきたい」と意欲を語った。