『しんぶん赤旗』2008年11月18日付

国立大学授業料の全額免除
申請者のわずか28%
2割超が受けられず
本紙調査


国立大学で二〇〇八年度前期の授業料の免除申請をした学生のうち、 全額免除を受けられたのは28%で、半額免除を含めても78%であることが本紙調査でわかりました。免除を申請した人のうち、二割以上の学生が免除を全く受けられない実態が浮き彫りになりました。

国立大学の授業料は年間五十三万五千八百円(前期分は二十六万七千九百円)。高すぎて負担できないため、免除を申請する学生が年々増える傾向にあります。大学側は少ない予算の中で、全額免除者を減らし、 半額免除者を増やすなど、苦しい対応を迫られています。

本紙が全国の八十二大学に授業料の免除者数を問い合わせたところ、 十一月十七日までに五十五大学から回答がありました。そのうち免除者数を公表できないなどとする十七大学を除く、三十八大学について集計しました。

その結果、授業料の免除申請者数は全学生の8・7%にあたる一万九千七百三十三人。申請者が10%を超える大学も十五ありました。申請率(全学生のうちの申請者の割合)が国の予算枠である5・8%を大きく上回りました。そのため、全額免除者数は、五千五百六十二人で免除申請者の28%(全学生のうち2・4%)と少ない一方、半額免除者数は九千八百三十九人(同4・3%)となりました。

申請者で、免除が全く受けられない学生は四千三百三十二人にのぼりました。