『河北新報』2008年11月3日付

ユネスコ・スクールを支援 教員養成6大学が連携


宮城教育大(仙台市青葉区)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する「ユネスコ・スクール」の加盟校支援を目的に、教員養成系学部を持つ全国の大学間のネットワークを創設する。同大で8日、加盟校や教育関係者らによる「ユネスコ・スクールの集い」を開き、共同声明を発表する。

大学間ネットに参加するのは宮教大のほか、岩手大(盛岡市)、岡山大(岡山市)、金沢大(金沢市)、玉川大(東京)、奈良教育大(奈良市)。

ユネスコ・スクールは、国連が提唱する「持続可能な発展のための教育」(持続発展教育)の拠点校として環境教育、国際理解教育、人権教育などを展開する。

6大学は連携して、持続発展教育のカリキュラム開発や教員の派遣に当たり、ユネスコ・スクールをサポートする。

宮教大は宮城県内の自治体と環境、英語教育などに関する協定を結び、持続発展教育を推進。仙台市、気仙沼市、大崎市が「仙台広域圏」として2005年、世界初の同教育の推進拠点に認定された。

今年8月には、奈良教育大に続き全国2番目のユネスコ・スクールとなった。宮城県内の小中学校や高校の加盟を支援。気仙沼市や白石市の21校が申請しており、近く認められる見通しだ。

8日の集いでは、大学間ネットの参加校や教育委員会の関係者らが「ユネスコ・スクール支援のための大学の存在」と題し討議。大学の支援の在り方や教育現場からの期待を報告する。

仙台市は、ユネスコ支援の民間団体「仙台ユネスコ協会」が1947年に世界で初めて設立されたことで知られる。

宮教大の見上一幸理事(総務担当)は「ユネスコ運動発祥の地・仙台から、ユネスコ・スクールの持続発展教育を盛り上げたい」と話している。

[ユネスコ・スクール]ユネスコの理念を学校現場で実践する幼稚園、小・中・高校、専門学校、特別支援学校、教員養成系の大学など。1953年に発足し、2008年10月末現在、177カ国の約2000機関が加盟する。国内は31校で、うち東北は宮城2校、岩手1校、秋田1校。