『しんぶん赤旗』2008年11月1日付

研究者の就職難問題
若手博士に職「重要」
石井議員に政府が答弁書


政府は三十一日、日本共産党の石井郁子衆院議員の提出した「大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書」に対する答弁書を決定しました。

大学院博士課程を修了しても研究職のポストがなく非常勤講師や短期雇用の研究員につくことを余儀なくされている事態(ポストドクター問題)が進行していることについて、答弁書は、博士課程修了者が「十分活躍できる社会が形成されることは重要」との認識を示しました。

博士課程修了者の就職確保については、文部科学省が支援しているテニュアトラック制(ポストドクター終了後に研究職が保障される制度) は、二十一大学、約二百五十人の若手研究者を対象にしていること、同省の「キャリアパス多様化促進事業」によって、二〇〇七年度には三百七十人以上の若手研究者が産業界などに就職し、「就職先の企業において高く評価されている」ことが明らかになりました。

また、「博士課程修了者が、教員や公務員も含め社会の多様な場で活躍することは重要」として、「キャリアパス多様化促進事業」によって人文・社会科学系の若手研究者を対象にした就職支援が各大学において取り組まれることを「期待している」と答弁しています。