時事通信配信記事 2008年10月29日付

大学認可、基準明確化を提言−設置審


大学、学部新設などの可否を判断する大学設置・学校法人審議会は29日、設置基準をより明確化すべきだとする提言を中央教育審議会に報告した。現状については「自覚と責任を欠くような準備不足の申請が増えた」と分析している。

少子化に伴って大学経営が厳しくなる中、教育研究の質を確保する狙いがある。

提言は、現行基準を「具体性がなく、不適切と思える申請でも『不可』とする明確な根拠を示しづらい」と批判。数値が示されていない専任教員の勤務日数や授業時間数、図書冊数などの規定を明確化するよう求めた。

審査期間を現行の5−7カ月から1年半程度まで延長することも要望した。

審査なしでも学部・学科の設置を認める届け出制度に関しては、「抜け道的に使われれば、審査の意義が薄れる」と指摘。看護師養成の学部・学科が届け出のみで理学療法士養成を行うようになった事例などを挙げた。

設置認可をめぐっては、設置審が定めた内規が2003年に廃止されるなど規制緩和が続いてきた。一方、昨年度までの5年間で不認可となったケースは7件、審査途中で申請が取り下げられたのは21件に上った。