『東京新聞』2008年10月30日付

群馬大付属病院 時間外料金を導入へ 救急の軽症患者から4200円


群馬大医学部付属病院(前橋市)は二十九日、平日夜間や休日の救急診療に訪れた軽症患者から「時間外料金」として四千二百円を新たに徴収すると発表した。十二月一日から実施する。入院や手術が必要な重症患者の診療を優先するのが目的で、病院側は「救急医療の質を維持するためには不可欠な措置」として理解を求めている。 (中根政人)

国立大学法人が運営する病院での時間外料金導入は、山形大に続いて二例目。県内の公的病院では、前橋赤十字病院(同市)が同じく救急医療の強化を目的に、十二月から時間外料金を導入することを決めている。

時間外料金は、入院を必要としない軽症患者が平日の午後五時から翌午前八時半の間や土日祝日などに来院した場合に徴収する。入院が必要な患者や救急外来を受診するための紹介状を持参した患者は対象外となる。

群馬大医学部付属病院では、軽症患者の受診の増加によって、救急部が取り扱う患者数が二〇〇七年度は九千七百三十一人だった。このうち、平日の夜間や休日など時間外に訪れた患者数は七千六百十一人で、八割近くを占めた。

同病院は、時間外の救急診療を二人の医師で行う状況が続いており、新たな料金の導入について「現場の医師が慢性的に不足する中、現状のままでは重症患者の治療を優先する体制が維持できなくなる」と理由を説明している。