時事通信配信記事 2008年10月27日付

改善なければ大学名公表=奨学金延滞で


文部科学省は27日、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金の返済が2割以上滞っていることに関し、延滞状況の改善が進まない大学は名称などの公表に踏み切る方針を決めた。厳しい措置を講じることで、各大学の取り組みを強化させるのが狙い。2009年度から実施する。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政投融資分科会で明らかにした。

支援機構の奨学金は、国が民間から調達した財政融資資金を主な財源として、各大学を通じて学生に貸し出している。文科省によると、奨学金の回収率は79.2%(07年度)にとどまっており、融資時の大学側の審査の甘さなどが原因と指摘されている。

同分科会の吉野直行会長(慶大教授)は会合後の記者会見で、回収率の向上に向け「奨学金の学生を紹介する大学がもう少し規律を持って(学生に)返済させるようにすべきだ」と述べ、大学側に一層の努力を求めた。