『北海道新聞』2008年10月22日付

道内3大学、食の安全・安心テーマ 文科省の連携支援事業


【江別】国公私立大学間の連携を図る文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれた酪農学園大と北大、帯広畜産大は二十一日、江別市の酪農大で記者会見し、「食の安全と安心」をテーマに人材育成に取り組む事業の概要を発表した。

三大学が取り組むのは「食の安全・安心の基盤としての地域拠点型教育研究システムのネットワーク形成」。事業期間は本年度から二〇一〇年度までの二年半で、総事業費は、二億五千万円を見込む。

三大学が研究成果を持ち寄って、農学や食品偽装などを戒める倫理学など総合的な「食の安全・安心基盤学」の教育プログラムを作成。恵庭市や富良野市など道内八自治体にサテライト教室を開設し、プログラムに基づいて生産者や農協職員ら地域で農業に携わる人に授業を行って、食の安全・安心を推進する「マイスター」を養成する。

また、地場型食品生産の振興に向け、無農薬・有機栽培など環境に優しい循環型農業の実践例を食品加工業者に情報提供する。

酪農大には同日、連携の拠点となるエクステンションセンターを開設した。十一月二十六日にセンター設置記念のシンポジウムを札幌で開く予定。