『読売新聞』2008年10月23日付

四国4県の8大学 講義を相互にネット配信


得意分野を結集 2011年度「四国学」手始め

四国4県の国私立8大学は22日、講義をインターネットで配信し、各大学で学生が同時に受講するシステムを導入すると発表した。2011年度に4県の歴史や文化を学ぶ「四国学」を開講し、将来は通常の授業に拡大、単位も取得できるようにするという。「大学全入時代」の到来を間近に控え、優秀な人材を確保するのが狙いで、地域に根ざした〈サイバー・キャンパス〉で生き残りを目指す。

参加するのは、香川大(香川県)、徳島大、徳島文理大、鳴門教育大、四国大(徳島県)、高知大、高知工科大(高知県)、愛媛大(愛媛県)で、この日、準備を進める組織「e―Knowledge(イー・ナレッジ)コンソーシアム四国」の設立総会を高松市の香川大で開き、各大学から計約40人が出席した。

設立趣意書などでは、50年に四国の人口は現在の約400万人から約280万人に減少すると予測され、「全国の高校生に四国の大学に入学したいとの思いを抱かせる工夫が求められる」と指摘。各大学が得意としている分野を集結させれば、入学希望者の増加が期待できるとしている。

この日の総会では、遍路道の歴史・文化や徳島県の阿波藍、黒潮文化圏など、各大学が取り組んでいる研究テーマを講義する「四国学」を、インターネット授業の第1弾とすることを決めた。今年度中に講義内容を検討して専用のホームページを開設し、09年度以降に試験講義を行う。

「四国学」に続いて、農学、医学、工学、経済学などについても、インターネットで授業を相互に公開するほか、生涯学習教育でも活用するという。会長に就任した角田直人・香川大理事は「各大学が連携し、講義内容を充実させたい」と述べた。