『四国新聞』2008年10月23日付

8大学「四国学」確立へ/情報技術活用し講義共有


四国の8大学が情報通信技術により、郷土に関する講義のコンテンツを共有する「e―Knowledgeコンソーシアム四国」の設立総会が22日、香川県高松市幸町の香川大であった。瀬戸内海や遍路、水問題などをテーマにした各大学の講義を「四国学」として確立し、学生が受講できる環境を整備。四国への理解を促し、地域で活躍する人材を育成するのが狙い。来春からの試験運用を計画している。

同事業は、▽四国に根付き、専門的知識により地域貢献する人材の育成▽全国に四国の魅力を発信する―などを目指す取り組み。文部科学省から本年度の戦略的大学連携支援事業として採択された。

総会には、コンソーシアムを構成する香川大と徳島大、鳴門教育大、高知大、四国大、徳島文理大、高知工科大、愛媛大の理事ら約40人が出席。会長に選出された香川大の角田直人副学長が「質の高いコンテンツの構築と人材育成で成果を挙げ、全国に普及する内容にしたい」と意欲を示した。

計画では、四国の資源の魅力や地勢、文化などに関する教養教育科目群「四国学」と、地域の課題に取り組むための専門教育科目群を併せて「四国の知」として構築。インターネットを使った双方向の同時講義やパソコンでの受講も可能とし、単位互換も実施する方針。

教養教育科目は、瀬戸内海や遍路、水問題、産業など地域性のある既存の講義の整理ほか、新設も検討。専門教育科目では、各大学の強みを生かせる共同講義を設けることも検討しているという。