時事通信配信記事 2008年10月11日付

奨学金滞納者を通報へ=信用情報機関に


大学生らへの奨学金事業を行う独立行政法人日本学生支援機構は11日までに、銀行などがつくる信用情報機関に滞納者情報を通報する仕組みを導入する方針を決めた。通報されると銀行でローンを組んだり、クレジットカードを作ったりしづらくなる。滞納額が増加する中、一種のペナルティーを科して債権回収を円滑にする狙いがある。

信用情報機関には銀行、信用金庫など約1400の金融機関が加盟。貸し出しの判断材料とするため、この機関を通じて個人への与信情報を交換している。
 文部科学省によると、学生支援機構は年内に信用情報機関に加盟する予定。早ければ2009年度から、延滞時に通報することを新規の貸し出し条件とする。通報時期は、滞納開始から3−6カ月後とする。所在不明となった滞納者の住所照会も検討している。

奨学金貸出時に与信情報を照会したり、滞納者以外の債務額などを情報提供したりはしない。 同機構は日本育英会などの事業を引き継ぎ、04年に設立された。3カ月以上の滞納者は07年度末で約20万人で、1年で約6000人増加。同年度に回収すべき債権のうち、未回収額は660億円に上った。