『福井新聞』2008年10月4日付

関電に新エネルギー研究センター 福井大などと共同研究


関西電力は3日、新エネルギー技術に関して県内の大学や企業と共同研究を進める「嶺南新エネルギー研究センター」を、美浜町の原子力事業本部内に設立すると発表した。7日から活動を開始する。福井大大学院と福井工大、福井高専と太陽電池やバイオエタノールの研究に取り組む。

同センターは、研究開発室エネルギー利用技術研究所(兵庫県尼崎市)の下部組織となる。センター所長は渡辺敏緒同研究所長が兼務し、当面は所長代理2人と研究員5人の計8人体制。

福井大とは、太陽電池の効率化を目指し、エネルギー変換効率の高い窒化物半導体材料を用いたタンデム(多接合)型太陽電池の基礎技術の開発を進める。福井工大とは、太陽電池の低コスト化・軽量化を目的に、有機アモルファス材料を用いた技術の構築を図る。福井高専とは、木材や古紙などから低コストでバイオエタノールを製造する技術研究を行う。それぞれ当面、3年間をめどにしている。

関電グループが蓄積した技術やネットワークを活用しながら、ともに基礎研究を進める。その後、事業者として商品化に向けた取り組みも行う。

同社は「県が進めるエネルギー研究開発拠点化計画の一環として、新研究センターを設立する。産学官連携を図り、福井県への研究機能の集積に努めたい」としている。

7日は、同事業本部で開所式を行い、共同研究を進める福井高専物質工学科の吉村忠与志主任教授が記念講演する。