『中日新聞』2008年10月10日付

静大とヤマハ発が包括連携協定締結 制御や材料生産を共同研究


静岡大とヤマハ発動機(本社・磐田市)は9日、協力関係を組織的に続けるための包括連携協定を締結した。ヤマハ発は単発的な協定を研究機関などと結んだことはあるが、包括連携協定の締結は今回が初めてとなる。静岡大が地域経済の活性化を目的に協定を結ぶのは、県や浜松市、金融機関などに次いで11番目。 (宮沢輝明)

協定には、制御や材料生産について共同で研究するほか、技術セミナーや合同研究発表の実施などを盛り込んだ。人材交流も進めていく。有効期間は3年間。

ヤマハ発にとっては、技術開発力が上がるのに加え、技術者の知識の向上や、大学を交えた大プロジェクトの構築も容易になるという。静岡大にとっては、大学の研究が地元産業の発展につながり、産業界のニーズを直接知ることができるというメリットも見込まれる。

調印式は同日、静岡大の興直孝学長と、ヤマハ発動機の鈴木正人取締役上席執行役員が出席して、静岡市駿河区の静岡大で行われた。静岡大は「強固な信頼関係の構築を目指し、具体的な企画をいくつも検討する。コラボレーションによる新展開に期待してほしい」とコメントした。