『沖縄タイムス』2008年10月10日付

看護大大学院が宮古で博士課程開講/3校の計画国文科省支援
看護大、臨地実習拡大/琉大、児童と模擬学校


文部科学省の大学院・大学支援プログラムに県内から、県立看護大学と同大学院、琉球大学の各取り組みが九日までに選出された。同大学院は「島嶼保健看護」領域を設置し、宮古島市に教授陣を派遣して修士・博士課程を開講。琉大は教員を目指す学生が児童・生徒に授業する「模擬学校(プラクティススクール)」で教育実践する。二〇〇八年度から三年間のプログラムで、同省が財政支援する。

看護大大学院の「大学院教育改革支援」は、宮古島市で高度な教育が受講できるのが特徴。これまで、離島で遠隔講義システムを使った講義の受講は可能だったが、同プログラムでは離島地域の保健看護の向上を目指し、同市での講義を本島にいる学生も遠隔講義で受講できる。二〇〇九年度の定員は修士課程二人、博士課程一人で、十一月から募集を受け付ける。

また、県立看護大学の「島嶼環境を活かして学ぶ保健看護の教育実践」は、島嶼県の保健看護の向上に貢献できる人材育成の一環として、宮古島市を中心に離島での臨地実習を全学的に拡大する。

琉球大学の「模擬学校による教育実践力向上モデルの開発」は、教職課程を履修する一、四年生を対象に学生の判断力やコミュニケーション力向上を目指す。

昨年からの取り組みで、同大や近隣の学童クラブなどで食をテーマにした「食べごと学校」や国語と算数を楽しく学ぶ「コックさん学校」などを実施した。学生は「教職に対する意欲が高まった」「教育実習前に自信がついた」など好評だった。一グループ二十人の学生が模擬学校を“設立”、児童・生徒約三十人の授業を企画する。十一月中旬から実践する予定。

中村透教育学部長は「既成概念にとらわれず、子どもたちとかかわること、人間関係をどう磨くかがポイント」と語る。