『中国新聞』2008年10月4日付

県が博士号取得者の就職支援


大学院で理工系の博士号を取得しながら定職がない若手研究者の就職をサポートしようと、広島県は14―23日の計6回、広島大(東広島市)で研究者と県内企業との交流会を開く。国の大学院強化で全国的に博士号取得者が増え、大学内の研究職が飽和状態となる中、中国地方の5県では初めて民間企業への就職支援に乗り出す。

広島大の博士課程後期修了者は文化系を含めて毎年約250人。このうち大学の教職員などへの就職は約1割にとどまる。大学院の理工系の4研究科には博士号の取得後、定職に就いていない無給の研究員「オーバードクター」が101人、有給の研究員だが任期が約3年と不安定な「ポストドクター」も46人いる。

交流会には県内に事業所を置く化学、電子、自動車部品製造など22社が名乗りを上げており、1回につき3―4社が参加する。