『毎日新聞』富山版2008年10月2日付

富山大:複数領域の専門医養成 付属病院に支援センター開設


複数の専門領域を持つ「統合型専門医」を養成しようと、富山大は1日、付属病院(富山市杉谷)内に専門医養成支援センターを開設した。地域医療の担い手として、1人で多分野をカバーして診察できる医師を将来的に30〜40人育成することを目指す。予算は5年間で約1億円。

文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に採択された「地域発信・統合型専門医養成プログラム」の一環。全国28大学の申請の中から、富山大のものを含む19件が採択された。

専門医は、診療科や臓器、治療法など特定の分野で非常に高度な知識や技量、経験を持つ医師のこと。国家試験とは別に、各医学系学会が、必要な資格を備え、試験に合格した医師を認定している。現在、その種類は100を超える。

富山大のプログラムでは、6年間の学部教育後、3年間の臨床研修を経て、さらに同センターで約7年間の専門教育を受ける。これにより、複数の専門医資格を取得した統合型専門医を育成する。

特に、富山ならではの和漢医学や創薬を目指す臨床研究などに力を入れる。地域に密着した医師を養成するなど、特徴的なプログラムを実践する県外の複数の他大学と連携し、得意分野の相互補完も図る。

この日、同大杉谷キャンパス管理棟で、関係者が出席して開所式があった。小林正院長は「医師としてのキャリアを磨き、着実に成果を上げたい」とあいさつし、看板を除幕した。【青山郁子】